「20代前半の1980年代初頭にロサンゼルスに住んでいた時、小説『A Single Man』を初めて読んで、すぐに虜になったよ。その物語の誠実さとシンプルさに感動を覚えたんだ。3年前、自分の監督デビュー作にとって最適な作品を探していた私は、自分がこの小説のことと、主人公ジョージのことを頻繁に考えていたことを思い出した。『シングルマン』は我々全員が感じる孤独を描いていて、それは人間性の一部だと思う。人間の魂は肉体によって隔離されているから、人は誰かと繋がりをもとうとする。この映画のメインメッセージは、“今を生きること”。毎日を最後の日だと思って生きることなんだ。映画化すると決めてからは、かなり長い間この作品に取り組んだよ。脚本は2年間断続的に作業したし、草稿もたくさん書いた。書きながらシーンを想像していた時は何の問題もなかったよ」。